エアコン工事の中でも、特に「先行配管(隠蔽配管)」での取り付け工事は技術と経験が必要な施工方法です。
今回は、ダイキンのうるさら(うるるとさらら)エアコンを既存のエアコンから交換する工事の様子をご紹介します。本来は加湿ホースや電線だけの入れ替えで済ませたいところですが、現場の状況により全部総入れ替えになったケースを解説していきます。
配管入れ替えやかけ繋ぎの手順、2分4分配管の取り扱いなど、施工テクニックをご紹介します。

今回の現場
戸建て隠蔽配管
エアコン入れ替え(既存の標準タイプからうるさらへ)
ダイキン うるるとさらら(うるさら) 2分4分 左横 掛け繋ぎ
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【動画で見る】ダイキンうるさらの先行配管による入れ替え工事
今回の動画では、既存エアコンの取り外しから、うるさらへの交換、先行配管での施工方法までを詳しく解説しています。特にダイキンうるさらの隠ぺい配管工事は珍しいケースですので、しっかりとご覧ください。
エアコン先行配管工事とは?

先行配管工事とは、壁の中に配管をあらかじめ通しておく工法で、配管が見えない美しい仕上がりになる施工方法です。今回のケースでは、既存のエアコンから高性能なダイキンうるさらへの交換において、壁の中の配管も全て入れ替える「総入れ替え」工事を行いました。
メーカーによっては隠ぺい配管(壁内に配管を通す工法)を推奨していないケースがあり、ダイキンのうるさらも公式には隠ぺい配管は非推奨とされています。
しかし、職人にプロの技術があれば対応自体は可能です。
うるさら(加湿機能付きエアコン)とは?

うるさらはダイキン独自の加湿機能を搭載したハイエンドルームエアコンです。暖房時でも室内の湿度を保ち、冬場の乾燥を軽減できるのが大きな特徴です。
室内機には通常の冷媒配管(2分・4分)のほかに「加湿ホース」と呼ばれる配管があり、屋外機から取り込んだ水分を熱交換により加湿する仕組みとなっています。

必要な工具と材料
先行配管工事には以下の工具が必要です:
- マニホールド:ガス圧の確認用(安全のため必須)
- ベンダー:配管を曲げるための工具
- トルクレンチ:適切な締め付け力で配管を接続するため
- インシュロック:加湿ホースなどを固定するため
- ニッパー:配管カット用
- フレアツール:配管端部の加工用
ジニーがルームエアコンで使用している工具は、下記のページに一覧でまとめましたので、気になる方はこちらからご覧ください。
既存エアコンの取り外し手順
強制冷房によるポンプダウン

既存エアコンを取り外す最初のステップは、冷媒を室外機に回収する「ポンプダウン」です。
- ダイキンエアコンの場合、応急運転ボタンを5秒長押しします。
- 「ピッ」という音と共に運転ランプが点灯し、強制冷房モードになります。
- 室外機のサイドカバーを開け、2分のバルブをしっかり締め込みます。

重要ポイント:安全のためにはマニホールドを付けて配管内のガス圧を確認するのが理想的です。マニホールドを付けず直接バルブを締める方法は推奨されません。
ダイキンは基本的に機種によって応急運転ボタンの位置が少し変わりますが、大体本体のどこかに付いています。ダイキンは強制冷房の設定は5秒長押しです。
5秒長押しすると、ランプが点灯または点滅します。ダイキンは運転とタイマーが点灯したり、何かしらの表示が入ります。
本来はマニホールドを付けるのが良いですが、僕は付けないことが多いです。これはお勧めする方法ではありません。安全にやるためには、マニホールドを付けて配管内のガス圧を見て、しっかり回収できているかを確認する方が良いです。
謎のダブルジョイント発見!

ここで「ダブルジョイント」に気づいて驚きました。これは本当に謎です(笑)
なぜダブルジョイントにしたのでしょうか?僕には理解できない謎のダブルジョイントでした。
ダブルジョイントを使用する明確な理由は基本的にはなく、あっても1つのジョイントで十分な場合がほとんどです。ただし、以下のような場合に見られることがあります:
- 以前の施工者が部品が足りなかった際の応急処置として
- 異なるサイズの電線を無理に接続するため
- 単純な施工ミス
プロの施工では不必要なジョイントは使わず、シンプルで信頼性の高い接続を心がけるべきです。余分なジョイントはリスクを高め、不具合やトラブルの原因にもなります。

今回はうるさらへの入れ替えなので、カバーも新しいものに交換します。
室内機の取り外し

この現場は夏だったので、僕が来るまではお客様はエアコンを使用していました。今の時期もそうですが、直前まで使っているエアコンに関しては、一旦揺らして室内機の中の水を事前に抜いておきます。
抜かずにそのまま下ろすと、傾けると水が流れ出てしまいます。それで壁を汚してしまうのを考えて、なるべくエアコンを揺らして水を最大限抜きます。
クロスなどを傷つけないように注意して、室内機の中の水を抜きます。ドレンを抜く時は上に向けたままにします。水が漏れるので注意が必要です。
とにかく今の時期のエアコンは外したら室内に置かずに、ベランダでも外でも良いので、とにかく早急に外に出すようにしています。
開口部の作業

今回は室内側の開口を広げるのでまずは養生をします。引き回しなどでボードを切ると、ボードの粉が飛び散ります。後で掃除が大変なので、しっかり養生して開口を広げます。
開口を広げるときの注意点は、いきなり大きく切るのは危険です。中が覗けるくらい、少しずつ削る感じです。今回の場合は特に左横の室内カバーが少し付いていたので、それで隠れる位置に跡が残っているはずです。上も少しカバーの跡が残っていました。それ以上広げたらアウトです。

とにかくそれで収まる位置だけ開口を広げて、中を覗いて、どうするか考えます。広げても跡が目立たないように、隠せるように意識しながら開口を広げると安心です。
隠ぺい配管の施工手順
配管ルートの確保

隠ぺい配管(壁内配管)の施工で最も重要なのは、適切な配管ルートの確保です。
今回は、スリーブの裏のスペースが狭いので、通常であればかなり作業がしにくい状況だったのですが今回、ある裏ワザを使って施工の難易度をグッと下げて、楽に配管を通すことができました。

この裏ワザは、ジニーエアコンスクール内でのみの限定公開とさせていただいております。もし、気になる方はジニーエアコンスクールのコンプリートプラン、ルームエアコンPROプランにてご視聴いただけます。
配管の曲げ作業
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この時点で配管を曲げていますが、これはとても重要です。先に配管をギュッと曲げて、ここで隠ぺい配管の壁の中の配管の形を手前で作って押し込んでいきます。ここで少しきつめの曲がりを作って中に押し込むことで、壁の中での配管のルートが少し大回りになります。
大回りさせることによって、手前の部分に加湿ホースとドレンが通ってくるので、十分なルートを作りやすいです。なるべく広く作りたいので、配管自体はグッと外を回して内側にスペースを作ります。
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事前にVA線と加湿ホースを入れてましたが、加湿ホースは作業性向上のため、一旦抜いて先に配管だけを通しました。配管に関しては、とにかく先さえ通れば後はどうにかなるという意識で作業します。
ドレン管・電気配線の施工
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配管が通せたら、次にVA線と一緒に加湿ホース、断熱ドレンを通していきます。外から引っ張るだけで調整できるように室内側でVAを十分接続できる長さまで引っ張っています。
ドレンも同じように通しておきます。壁の中でドレンのルートがたわんでいたり、上がっていたりすると意味がないので、しっかり時間をかけても壁の中だけは勾配が取れているか慎重にやります。
今回は先行配管なので、もし次に入れ替えでうるさらを付けに来る人が流用できるように意識して施工しました。
室内機の取り付けと配管接続
背板の取り付け
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左配管の場合は接続のラインを背板に真っすぐ印を付けておきます。接続ラインを出すときは必ず背板を取り付けた状態で、爪を背板の真ん中に持ってきた状態で接続ラインを出します。
これで多少押しても左右に5mmずつくらいは遊びができるので、これをしておくと仕上がりが綺麗になります。
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今回は左横でスライド式のカバーを付けます。私はいつもエアコンの左端からを基準にします。今回はだいたい115mmくらいです。これで背板を付けた時にエアコンの左端が分かります。
しかも今のところは接続ラインを出した状態で爪も真ん中なので、確実な位置です。この位置を把握しておけば、背板の位置が一瞬で分かります。
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左横や四分の場合、スリーブの下端に対してスライド式の出口の部分を上げすぎると配管が下に押されて下が少しボコッとしたりします。なので、あまり上げすぎないことが大事です。
ここの部分のポイントをまとめると、
- 左配管の場合は接続ラインを真っすぐにしておくことが重要。
- 爪を背板の真ん中に持ってきた状態で接続ラインを出すと、左右に5mmほど遊びができる。
- 今回は、左横でスライド式を付ける場合、エアコン左端から115mmが基準
- 高さはスライド式の出口部分を上げすぎると配管が下に押されてボコッとする可能性があるため注意が必要
うるさら左横 室内機配管接続のコツと注意点
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うるさらなどの高性能機種を先行配管で接続する際のポイントは以下の通りです。
- うるさらの場合、パネルを外さないと接続できないため、両サイドから外していく。
- 配管の向きは、二分が上で四分が下という形が施工しやすい。
- フレアを切る位置は重要で、曲がっている部分でカットするとナットが入らなくなるため注意が必要。
- 配管を室内に長めに入れると真っすぐにしやすくなる。
うるさらでもカバーを外せるところはバラしてあげると先行配管の場合とか、掛けて繋ぐ場合はある程度バラします。
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うるさらをバラすときは、両サイドから外していきます。先行配管の場合でも基本的にうるさらの場合は加湿ホースがあるので、恐らくバラさないと接続できなかったはずです。(記憶違いだったらすいません)
両サイドを外したら下が外れます。これで加湿ホースやドレンも接続できますし、VAも接続しやすくなります。作業しやすいです。うるさらの先行配管の場合はバラすしか方法がないと思います。
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配管をフレアを切るときは、少し長めに配管を入れておいた方が、接続の際に真っ直ぐ接続がしやすくなります。四分など太い配管が曲がっている場合、曲がってる部分でカットしてしまうとナットが入らなかったりするので、特に注意が必要です。

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今回は、四分を上に持ってきてしまっています。四分が上で二分が下です。室内機自体は二分が上で四分が下になっています。ここで気づきましたが、どうしようもないですね。
これからこういう現場に当たるのであれば、四分が下で二分が上という形で作った方が施工しやすいです。
加湿ホースとドレンの接続
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加湿ホース、ドレンに関して爪が掛かった状態でも接続できます。でもこれはめちゃくちゃ差しにくいです。
どうしても外しにくかったら、うるさらの黒い部分をビス1本外せばごっそり外せるので、少しやりやすい位置に持っていって加湿ホースの根本を差し込むのもありです。
あとは細かい部分ですが、うるさらの場合インシュロックを必ずするようにしていますが、スペースが狭いときは、インシュロックの輪っかをやりやすいところでやろうとしてもスペースがなくてやりにくいことが多いです。(言葉だと説明が難しいですが)
なのでやりやすい位置で余裕がある輪っかを作って、そこからずらして行って締めたい位置まで持って行って締めます。
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まだ下の爪が掛かっていない状態ですが、だいたいの位置を親指でドレンの接続ラインに合わせてノリ付けしています。
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ここで少々長くても、外から引っ張れるので、少し長めにして外で引っ張って、中の勾配を取るようにしていきます。これは感覚的なところで、引っ張った感覚を頼りにやっていますが、ここでドレンのカットが長すぎて余りができてドレンが持ち上がったりしたら、今までやってきたことが無駄になってしまいます。
なので外で引っ張って、しっかり壁の中のドレンが、壁の中でも勾配がしっかり取れていると感じられるくらいに真っすぐに引っ張ります。
うるさらの加湿ホースとドレンの接続のポイントをまとめると以下の通りです。
- 加湿ホースが挿しにくい場合は、うるさらの黒い部分(ホースの挿入部)のビスを外すと作業がしやすくなる
- インシュロックは狭い場所では取り付けにくいため、下の位置で輪っかを作ってから上に持っていくとやりやすい
- ドレンはノリ付けで接続し、壁内での勾配が確保できているか感覚的に確認します
仕上げとチェックポイント
最終確認と調整
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一番大事なこと、ノリを使った後は必ず蓋をしてください。
床などにノリをこぼすと汚れが落ちないので、絶対に床に落としてはいけません。しっかり養生と、使った後は蓋をします。
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電線が反発しないようにうまく配線の仕上げをしてカバーを収めていきます。カバーを戻すときは力づくではなく、定位置で爪をしっかり奥まで入れてあげます。反発していたら1回外してまた戻すなど、何か当たってうまく収まっていないことが多いので力づくにならないよう注意します。
あとは、絶対にクロスを傷つけないように気をつけましょう!
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もし、スライド式とエアコンの下端が段違いになってしまったら、この段階でスライド式の受けのビスを1回抜いて位置を再調整します。作業的には少しやりにくいですが、配管とかドレンとかの隙間を狙うと十分抜けるので、高さを調整できます。
ここもしっかり仕上げのところなので、ここでしっかり合わせてあげて、もし段になるようだったら1回ビスを外して上げるなり下げるなりして一番良い位置に調整すると仕上がりが綺麗になります。
DAIKIN うるさら左横先行配管(隠蔽配管)設置まとめ
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いかがでしたでしょうか?長くなってしまいましたが、ダイキンうるさらのような高性能エアコンの先行配管工事でも、適切な手順と知識があれば美しく施工することが可能です。今回の記事では、特に大事だったポイントは、
- 安全なガス回収とポンプダウン
- 壁内での配管ルートの確保
- ドレン管の勾配確保
- 室内機パネルの適切な取り外しと配管接続
- 仕上がりの美しさを意識した調整
プロの施工技術を身につけることで、より快適で長持ちするエアコン設置が可能になります。
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